23日のニューヨーク外国為替市場ではドルが続伸。主要通貨の全てに対して上げた。ドル指数は3カ月ぶりの高水準となり、今年初めて100日移動平均を上回った。
米10年債利回りは2014年以来の高水準に上昇。米国債利回りはこの日の高水準からやや低下したものの、ドルは堅調な地合を維持した。
長期債はほぼ変わらずとなり、米国債の利回り曲線はさらにフラット化した。6カ月物財務省短期証券(TB)レートは08年8月以降で初めて2%を超えて終えた。
ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前営業日比0.8%高。ドルは円に対して1%上昇し1ドル=108円71銭。一時は108円75銭と、2月13日以来の高値水準まで上げた。対ユーロでは0.7%高の1ユーロ=1.2209ドル。一時は3月1日以来の高値1.2198ドルを付けた。
主要10通貨のドルに対する動きは著しかった。それぞれがオプション市場が示唆していた動きを上回った。
円は主要10通貨のうち最も下げた。ドルの全般的な上昇基調に圧迫されたほか、北朝鮮情勢を巡り明るい兆しが出ているため、逃避需要が減退した。
4月の製造業とサービス業を合わせた経済活動を示すユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値は、ユーロの支援材料にならなかった。ユーロ圏経済の勢いは前月並みを維持。年初からは減速しているものの、景気拡大が続く兆候を示した。
欧州時間の取引
ドル・スポット指数は3月1日以来の高水準に上昇。世界的な貿易戦争は回避されるとの楽観が強まり、米10年債利回りが上昇したことが背景にある。