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欧州存続の危機はただの言葉ではなく、厳しい現実
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恐れていたことはすべて間違った方向に動いた
ドル相場の急伸と新興市場からの資本逃避は、次の「大規模な」金融危機をもたらす可能性があると、著名投資家のジョージ・ソロス氏が警告。欧州州連合(EU)には「存続の危機」が差し迫っていると警鐘を鳴らした。
同氏はイランとの核合意「破棄」と米欧の同盟関係「破壊」を挙げ、「欧州経済に悪影響を及ぼし」、新興市場通貨の下落など一連の混乱をもたらすだろうと29日にパリでの講演で語った。「次の大規模な金融危機に向かっているのかもしれない」と述べた。
「間違った方向に動きかねないと恐れていたことはすべて、間違った方向に動いた」とし、難民問題やポピュリスト台頭につながった財政緊縮、英国の欧州連合(EU)離脱決定が示す「領土上の分裂」を指摘。「欧州が存続の危機にあるというのは、もはやただの言葉ではなく、厳しい現実だ」と語った。
原題:Soros Sees New Global Financial Crisis Brewing, EU Under Threat(抜粋)