20日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが大幅安。4カ月で最大の下げとなった。中国と欧州連合(EU)は通貨を操作してきたとトランプ大統領がツイートしたことに反応した。さらにその後、米金融当局は年内あと2回利上げするとトランプ大統領が懸念しているとの一部報道を受けて、下げを拡大した。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.8%低下。今週の上昇分が帳消しとなった。トランプ政権がドル安誘導による貿易不均衡の解消を目指すとの懸念が強まった。

ドルは主要10通貨全てに対して値下がりした。一方で資源国通貨は上昇した。

円は値上がり。日本銀行が利回り目標の柔軟化を含めた金融緩和策の微調整を議論しているとロイター通信が報道。日本国債のボラティリティーが高まる中で円は買われた。

ニューヨーク時間午後4時45分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.8%低下。ドルは対ユーロで0.7%安の1ユーロ=1.1720ドル。円は対ドルで0.9%高の1ドル=111円47銭。

トランプ大統領は米経済専門局CNBCとのインタビューで、米国に輸入される中国製品5000億ドル相当に追加関税をかける「用意がある」と発言。「われわれはいいように利用されており、私はそれが気に入らない」と語った。

その後、米金融当局の利上げに言及しているとみられるツイートで「現在の引き締めはこれまでの努力全てを損なう」と批判した。

一方でセントルイス連銀のブラード総裁は、トランプ氏の発言が連邦公開市場委員会(FOMC)の金利決定に影響することはないとの見解を示した。

ポンドは大きく値上がり。英国の欧州連合(EU)離脱でEU側の首席交渉官を務めるミシェル・バルニエ氏の発言を受けてショートカバーが入った。バルニエ氏は、アイルランドと英国領北アイルランドとの間に厳しい国境管理を要する事態を回避するため、従来案に代わる新提案を検討することに前向きだと述べ、姿勢を軟化させた。

原題:Trump Tweet Sends Dollar Down Most in Four Months: Inside G-10(抜粋)