[東京 6日 ロイター] – ソフトバンクグループ(9984.T)は6日、2018年4─6月期(国際会計基準)の連結営業利益は前年比49.2%増の7149億円になったと発表した。ビジョン・ファンドの株式評価益や半導体設計アーム関連の一時益が利益を押し上げた。
会見した孫正義社長は「ビジョン・ファンドの影響が日に日に高まっているのを感じてもらえる決算だ」と語った。
ビジョン・ファンドとデルタ・ファンドのセグメント利益は2399億円だった。インド電子商取引大手フリップカートの売却合意に伴い評価益1643億円を計上したほか、投資先のシェアオフィス会社WeWorkの価値増大も利益を押し上げた。
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半導体設計アームの中国事業の合弁化による非子会社化に伴い、一時益1613億円も計上した。
売上高は前年比4.0%増の2兆2727億円だった。米携帯電話子会社スプリント(S.N)の減収を国内通信やヤフー(4689.T)の増収でカバーした。
最終利益は前年比56倍の3136億円だった。ビジョン・ファンドの利益貢献に加え、前年に中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング(BABA.N)株式の資金化にかかわるデリバティブ損失を計上していた反動も大幅増益につながった。
孫社長は「営業利益と純利益の増益部分の大半はビジョン・ファンド。これからの成果の先駆けが(決算に)一部現れ始めた」と強調した。ビジョン・ファンド2を設立する意向をあらためて示したものの、時期や規模についての明言は避けた。
同社は通期予想を開示していない。アナリスト17人の営業利益予測の平均値は1兆2610億円(前年実績1兆3038億円)となっている。
<WeWorkに本社移転検討>
孫社長は会見で「ソフトバンク本社を近い将来、WeWork(のオフィスに)に全部移転しようかと議論している」ことを明らかにした。
WeWorkは現在、国内に6250席を確保しており、すでにソフトバンク社員約1700人が利用している。