22日のニューヨーク外国為替市場でドルが上昇し、今年の最高値に近い水準となった。一方でユーロは下落、イタリア国債が軟調に推移したことが重しとなった。欧州連合(EU)離脱案を巡り、メイ英首相に対する与党保守党内の反発が強まっていることへの懸念で、ポンドも売られた。

ブルームバーグのドル指数は一時0.4%上昇し、8月15日以来の高水準となった。中国人民銀行(中央銀行)が民間企業への支援策を表明したことや、トランプ米大統領が中間所得層向けの減税案を検討していると発言したことなどが支えとなった。

ポンドは主要10通貨の中で最低のパフォーマンス。対ドルで0.9%下げた。ユーロ・ドルは一時0.5%安。イタリアのトリア財務相は、自国の支出計画がEU規則に反していることを認識しているとした上で、EU当局者らとの建設的な協議を望むと欧州委員会宛て書簡で訴えた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%高。ドルは対円では0.2%高の1ドル=112.82円。ユーロは対ドルで0.4%安の1ユーロ=1.1464ドル。

欧州時間の取引

ユーロが一時の上げの勢いを失った。いったん上昇していたイタリア国債の買いが続かなかったことが背景。円も軟調。リスクテーク意欲が全般的に改善したことを受け、逃避需要が後退した。
原題:Dollar Approaches Fresh 2018 High as Pound Tumbles: Inside G-10(抜粋)
Euro Erases Advance as Italian Bonds Lose Traction: Inside G-10 (抜粋)