革新系のハンギョレ新聞は「裁判巡る裏取引で遅れた正義」と見出しをつけ、日韓関係悪化を憂慮する朴槿恵(パク・クネ)前政権時代に最高裁と外務省が判決を5年間延期した状態が解消されたとの見方を強調し、判決を肯定的に報じた。
一方、保守系の中央日報は判決内容を伝えるメインの見出しの脇に「韓日関係に台風」との見出しを掲げ、1965年に締結された日韓協定の土台が崩れることへの懸念を示す有識者コメントを掲載した。
また、保守系の朝鮮日報は4面で「国交正常化の軸となる請求権協定に動揺」との見出しで日韓協定締結時の個人請求権を巡る交渉記録を整理。日本から提供された5億ドルを管理する当時の経済企画院長官が「国家の資格で補償金を受けたので個人には国内で処理する」と国会答弁していた事実を紹介した。
社説をみると、日韓関係の悪化を憂慮するメディアも、日本の植民地支配を不法とする最高裁判断を尊重すべきだという立場は同じ。中央日報は「日本政府が誠意ある謝罪の姿勢を見せなかったから悪化した」と指摘し、日本に報復措置を提起しないよう求めた。
一方、ネット市民の関心はさほど高くなく、検索サイトの「ネイバー」で判決のニュースは総合トップ10に入らなかった。ただ、30日は判決に対する河野太郎外相の抗議が、31日は日韓外相電話協議が政治部門4位にランクされ、日本の反応を気にしていることがうかがえる。