ロシア国防省は、北方領土の択捉島と国後島に軍人用の集合住宅を新たに建設したことを明らかにしました。来月にも予定されている日ロ首脳会談を前に、日本側を改めてけん制するねらいがあるものとみられます。
ロシア国営のタス通信が17日伝えたところによりますと、ロシア国防省は、このほど、北方領土の択捉島と国後島に駐留する部隊のために集合住宅を4棟新たに建設し、来週、188世帯が入居するということです。
さらに、来年も、択捉島で2か所、国後島で1か所、こうした軍人用の集合住宅を建設するほか、ロシア人の島民のための住宅や学校、スポーツ施設などを改修し、軍と民間向けを合わせると新築や改修の計画は200を超えると明らかにしました。
一方、ロシアのラブロフ外相は、この日、モスクワで、日本との平和条約交渉に関して「日ソ共同宣言を基礎とするということは、日本が第二次世界大戦の結果を認めることを意味する。日本は、まだ、これを認めていない」と述べ、北方領土は、ロシアが不法占拠しているのではなく、大戦の結果、ロシアの領土になったものだと改めて主張しました。
ロシア大統領府は、次の日ロ首脳会談を来月21日に行う方向で日本側と調整中だとしていて、住宅建設やラブロフ外相の発言は、首脳会談を前に日本側を改めてけん制するねらいがあるものとみられます。