[ワシントン 26日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は26日、米経済は今年底堅いペースで拡大するものの、前年からは幾分減速するとし、FRBは引き続き「忍耐強く」利上げに対応すると再表明した。
パウエル議長は上院銀行委員会での証言で「足元の経済状況は健全で経済見通しは良好」と語った。同時に「ここ数カ月で、強弱入り混じるシグナル」を確認したとし、追加利上げの正当性は薄れたとの認識を示した。
今年の米経済動向については、「前年からやや減速するものの、底堅いペースで拡大し、労働市場も引き続き堅調になる」との見通しを示した。 議長は「一部指標は弱含んでいる」としつつも、支出は引き続き増加する兆しを示唆していると述べた。
FRBは、2018年の米成長率が3%弱になったと予想する。連邦政府機関一部閉鎖の影響で公表が遅れていた18年第4・四半期国内総生産(GDP)統計は28日に発表される。
最新の米小売売上高統計は失望を誘う内容となり、一部FRB当局者はインフレ鈍化の可能性を懸念しているものの、パウエル議長は最近のエネルギー価格下落の影響が和らぐ中、インフレは目標の2%近辺で推移する見通しとした。
35日に及んだ政府機関一部閉鎖の影響については、経済全体への影響は「極めて小幅」で、今後数週間で解消されるとの見通しを示した。 また、バランスシート縮小の終了については「適切な時期とアプローチ」を見極めると語った。
パウエル議長の証言を受け、米S&P総合500.SPXは下げ幅を縮小し、横ばいで推移。米2年債利回りUS2YT=RRは2.49%と、証言原稿公表直後の2.48%から小幅上昇した。