[ニューヨーク 29日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、英議会で欧州連合(EU)離脱協定案の主要部分が否決されたことを受け英ポンドが下落した。
メイ英首相のEU離脱協定案が議会で否決されるのはこれで3回目。離脱条件などで合意できないまま4月12日に英国がEUから離脱する懸念が高まる中、ポンドは今後も圧力にさらされるとみられている。
ただこの日のポンドの動きは、過去2回の議会否決時と比べるとそれほど大きくなかった。
市場関係者は、EU離脱を巡る混迷が深まる中、ポンドの取引が手控えられていると指摘。BMOキャピタルマーケッツのグローバル外為戦略部門責任者、グレッグ・アンダーソン氏は、ポンドが昨年12月に付けた安値を大きく上回っていることについて、「市場では離脱の長期延期が織り込まれ始めている」ことが一部要因になっているとしている。
ポンドは対ドルGBP=で一時0.5%安の1.2976ドルを付け、200日移動平均の1.2979ドルを下回った。ただ、その後は下げ幅を縮小した。
ポンドの動きを反映し、主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.07%高の97.274となっている。
朝方発表された米経済指標では、1月の個人消費支出が前月比0.1%増と、市場予想の0.3%増を下回ったほか、個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.1%低下と、前月の0.1%上昇からマイナスに転じた。
BMOキャピタルマーケッツのアンダーソン氏は「軟調な結果となり、連邦準備理事会(FRB)が利上げを実施する理由はないことが示された」としている。
ユーロ/ドルEUR=は小幅安の1.122ドル。月初からは1.43%の下落で、月間の下落としては昨年10月以来の大きさとなった。成長鈍化懸念と欧州中央銀行(ECB)が示している慎重な姿勢がユーロの重しになっている。
ドル/円
NY終値 110.84/110.87
始値 110.77
高値 110.94
安値 110.64
ユーロ/ドル
NY終値 1.1217/1.1219
始値 1.1222
高値 1.1247
安値 1.1214