【北京時事】中国外務省の耿爽・副報道局長は14日の記者会見で、香港の「逃亡犯条例」改正案に関連し米上下両院の超党派議員が香港の「高度な自治」の検証を米政府に義務付ける法案を提出したことに対し、強い反発を示した。耿氏は「中国の内政に乱暴に干渉するもので、強烈な不満と断固とした反対を表明する」と述べ、法案審議をやめるよう要求した。

 これに関連し、楽玉成外務次官は同日、米国の駐中国臨時代理大使を呼び出し、「米側の無責任な言行」に抗議した。

 ロイター通信によると、13日提出された「香港人権・民主主義法案」は、香港の「一国二制度」を前提に既存の「米国・香港政策法」で認める関税や査証(ビザ)発給などの優遇措置継続の是非を判断するため、香港の自治が保障されているかを米政府が毎年検証するよう求めている。中国本土への容疑者引き渡しに関与した人物への制裁措置も盛り込み、香港で身柄を拘束した容疑者の中国本土移送を可能にする同条例改正をけん制した。

 米国が香港への優遇措置見直しに動けば、「一国二制度」を最大限利用してきた中国経済への打撃は必至。耿氏は会見で「米国は香港の主要な貿易相手の一つで、香港の繁栄と安定は米国の利益にも符合する」とも強調した。