[サンフランシスコ/ニューヨーク 27日 ロイター] – 米ニューヨーク連銀前総裁のウィリアム・ダドリー氏は27日、連邦準備理事会(FRB)に対し、トランプ大統領の貿易政策に調子を合わせることをやめ、利下げ要求を拒否するよう求めた。
FRB報道官は「FRBの政策決定は、議会に対し負っている物価安定と最大雇用という責務にのみ基づく」とし、「政治的配慮は全く関与しない」と言明、ダドリー氏の主張を退けた。
ダドリー氏はブルームバーグニュースに寄稿した論説で、貿易を巡って「まずい選択」をした米政権を「救済」しないよう、FRBに求めた。
その上で「FRB当局者は選択を迫られている」と強調。「トランプ政権が貿易戦争の激化を招く破滅的な道を歩み続けることを容認するのか、もしくは政権がその道を進むのであれば、リスクを負うのはFRBではなく、大統領であるという明確なシグナルを送るかの選択だ。次回選挙での敗北というリスクも含まれる」と述べた。
さらに「最良かつ長期にわたる経済的成果の達成が金融政策の目的ならば、FRB当局者は自分たちの決定がどのように2020年の政治的結果に影響するかを考慮すべきだ」とした。
エコノミストはダドリー氏の論説を批判。FRBは政治に基づき金利政策を決定すべきでない上、金融政策を大統領候補の手助けもしくは攻撃に利用すべきはないと主張した。
ダドリー氏は論説に関するロイターの質問に対し、論説に「語らせる」と応じた。