[ニューヨーク 4日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、安全通貨のドルと円が下落した。香港やイタリア、英国でのポジティブなニュースを受け、世界的に政治を巡る懸念が緩和した。
ポンドが買われ、8月30日以降で初めて1.22ドルを上回った 。英議会下院が4日、欧州連合(EU)からの合意なき離脱を阻止するための離脱延期法案を賛成多数で可決したことを受け、楽観的な見方が広がった。
ドル指数は2日連続で下落。円も対ドルで4日ぶりに反落した。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が4日、「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を表明し、リスク選好が高まった。
OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は、ドル安は香港でのリスクオンの動きが引き金になったと指摘。香港株も急伸したことで、リスクが高い通貨への買いを押し上げたと述べた。
イタリアではコンテ首相が組閣名簿を提出し、マッタレッラ大統領によって承認された。5日午前にも宣誓式が行われ、新内閣が発足する。
終盤の取引で、ドル指数は0.57%安の98.438。円は対ドルや対ユーロで下落。ドル/円は0.38%高の106.36円。ユーロ/円は0.89%高の117.32円だった。
ユーロ/ドルは0.52%高の1.10295ドル。欧州中央銀行(ECB)の次期総裁候補に指名されたクリスティーヌ・ラガルド氏が4日、ECBは金融緩和を長期間維持する必要があり、気候変動など世界が直面する問題も考慮すべきという認識を示した。
ポンド/ドルは1.15%高の1.2226ドル。対ユーロでは0.65%高の0.9022ポンド。
ドル/円
NY終値 106.38/106.41
始値 106.22
高値 106.43
安値 106.13
ユーロ/ドル
NY終値 1.1033/1.1036
始値 1.1015
高値 1.1037
安値 1.1008