[ワシントン 30日 ロイター] – 米共和党の元下院議員でロビイストのロバート・リビングストン氏がマーシャ・ヨバノビッチ前駐ウクライナ大使の解任を繰り返し求めていたことが、米外交官の証言で明らかになった。 

米国務省のウクライナ専門家であるキャサリン・クロフト氏とクリストファー・アンダーソン氏が30日、下院によるトランプ大統領への弾劾調査に関連して証言した。 

米紙ワシントン・ポストが電子版に掲載した冒頭陳述によると、2017年7月─18年7月にホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)メンバーだったクロフト氏は「NSC在任中、リビングストン氏から複数回電話があり、ヨバノビッチ大使を解雇すべきと言われた。リビングストン氏はヨバノビッチ大使を『オバマ前政権の遺物』と称し、ジョージ・ソロス氏との関連があると述べた」と指摘。ただ「誰の支持によってリビングストン氏がヨバノビッチ大使の解任を求めていたのかは当時も今でも分からない」とした。 

また、トランプ氏の元ロシア担当首席顧問フィオナ・ヒル氏とジョージ・ケント国務次官補代理に話したが、「何らかの対応が取られたのかは分からない」と語った。 

トランプ大統領は5月にヨバノビッチ大使を解任。トランプ氏の顧問弁護士であるジュリアーニ氏は、トランプ大統領と国務省に対しヨバノビッチ大使解任を働き掛けたことを明らかにしている。 

ロイターが入手した冒頭陳述によると、アンダーソン氏はジュリアーニ氏がゼレンスキー氏のウクライナ大統領就任前に、ウクライナ次期大統領は「トランプ大統領の政敵に囲まれている」とツイッターに投稿していたことを同僚と確認したと言及。ジュリアーニ氏の発言とヨバノビッチ大使の解任によって引き起こされた「ネガティブな筋書き」に対抗しようとしたと述べた。