【ソウル時事】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は28日午後5時前、東部の咸鏡南道・連浦付近から飛翔(ひしょう)体2発を発射した。日本政府によれば、飛翔体は弾道ミサイルで、約380キロ飛行し、高度は約100キロ。日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したもようだ。
日韓両政府は22日、期限直前に軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効を回避し、協定を延長。この後、北朝鮮の飛翔体発射は初めてで、日韓の出方をうかがうほか、米国も加えた3カ国の連携を試す意図もあるとみられる。
河野太郎防衛相は記者団に対し、韓国との情報共有をめぐり、「GSOMIAに基づく情報交換は対外的に公表していない」と言及を避けた一方、「日米、日韓、日米韓の3カ国でしっかり連携して当たる」と語った。日本との情報共有に関しては韓国軍も詳細に触れていない。米政府高官は「北朝鮮によるミサイル発射の報道を把握している。情勢を注視し、同盟国の日本、韓国と緊密に協議し続けている」と述べた。
安倍晋三首相は情報収集・分析に全力を挙げ、国民に迅速な情報提供を行うほか、航空機や船舶などの安全確認を徹底するよう指示した。日本政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。