[ニューヨーク 22日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではユーロが対ドルで4日続伸し、約2年ぶり高値を更新した。資源通貨の買いも優勢だった。欧州連合(EU)首脳が前日、7500億ユーロ規模の新型コロナウイルス復興基金設立で合意したことが引き続き材料視され、リスクオンとなった。 

米政府がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を命じ、両国の緊張の高まりが示されたことで、リスク選好の動きが一時後退する場面もあったものの、相場は間もなく持ち直した。 

終盤の取引でユーロ/ドルEUR=EBSは0.37%高の1.1569ドル。一時2018年10月以来の高値となる1.1601ドルを付けた。 

ドル指数=USDは0.2%低下の94.939。一時3月以来の水準となる94.827に落ち込んだ。 

メーク・インベストメンツのアクセル・メーク社長兼最高投資責任者は「ここ数年にわたるドル強気相場が終了した可能性がある」と指摘。「米実質金利が低水準にあることや、今後さらに低下するという確約が軟調なドルの主因だ」と述べた。 

米連邦準備理事会(FRB)は来週28─29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。新型コロナ流行に伴うロックダウン(都市封鎖)措置の打撃を受けた景気支援に向け、ゼロ金利を維持すると予想されている。 

豪ドルAUD=D3は一時15カ月ぶりの高値を更新した後、0.2%高の0.71425米ドル。ニュージーランドドルNZD=D3も0.3%高の0.6664米ドル。一時半年ぶり高値を更新した。 

人民元CNH=EBSは、ヒューストンの中国総領事館閉鎖のニュースを受け下落したものの、その後は下げ幅を縮小して7.0119元。 

ポンドは対ドルGBP=D3 とユーロEURGBP=D3で下落。英政府が11月の米大統領選前に米国と自由貿易協定を締結することを事実上断念したという英フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道や、欧州連合(EU)離脱後の移行期間中に自由貿易協定で合意できない可能性があるという見通しが重しとなった。 

ドル/円 
 NY終値 107.14/107.16 
   始値 106.99 
   高値 107.28 
   安値 106.96 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1568/1.1572 
   始値 1.1566 
   高値 1.1600 
   安値 1.1557