昨日発表された米国の4−6月期GDPは前期比32.9%減と歴史的なマイナス記録になった。もちろん統計開始以来最大の落ち込み。暴落とか記録的落ち込みなど、どのような形容詞をつかっても実態がイメージできないほどの落ち込みである。ブルームバーグは「米経済の約3分の2を占める個人消費は前期比年率34.6%減少。特にサービス分野への支出は同43.5%減少し、パンデミックが及ぼした打撃の深さを示した」と解説する。感染者数、死亡者数共に世界最大。トランプ大統領がいくら「武漢ウイルス」と中国を批判しても、自国の経済的打撃が緩和されることはない。消費大国である米国が直面した最大の危機だ。その深刻な状況をブルームバーグのデーで可視化すれば以下のようになる。

GDPが落ち込んでいるのは米国だけではない。ドイツが同10.1%減。JPモルガンの推計によるとユーロとインドはいずれも落ち込み幅が40%台に乗るという。ブラジルにいたってはなんと51%減だ。世界中の政権が経済活動の再開を急ぎたくなるのも分からないわけではない。だが、急げば急ぐほどGDPは落ち込む。ウイルスが人類に突きつけた二律背反の原理だ。どうするか、決めてはないが参考事例はいくつもある。その一つはニューヨーク州だろう。クオモ知事のリーダーシップのもと、慌てず騒がず徹底的にウイルスと闘う姿勢をとった。例えば、どこでも、誰でも無償で受けられるPCR検査だ。Go To キャンペーンも否定しないがタイミングが悪い。まずやることはPCR検査で見えないウイルスの実態を把握することだ。