【ソルトレークシティー(米ユタ州)=海谷道隆】11月の米大統領選に向け、共和党のマイク・ペンス副大統領(61)と民主党副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員(55)が7日夜(日本時間8日午前)、テレビ討論会を行った。ハリス氏は冒頭から、再選を狙う共和党のトランプ大統領(74)の新型コロナウイルス対策を「最大の失敗」と激しく批判し、ペンス氏は「国民の命を最優先にしている」と反論した。
討論会はユタ州ソルトレークシティーのユタ大で90分間行われた。新型コロナ対策についてハリス氏は「国民は、米史上存在した全政権の中で最大の失敗を目撃している」と切り出した。感染による死者が米国内で21万人を超えた事実を挙げ、「トランプ氏は(新型コロナが)でっち上げだと言った」「政権にはいまだに計画がない」と攻め立てた。
ペンス氏は、中国からの渡航を早期に制限した政権の対応が効果的だったと強調した。民主党の大統領候補ジョー・バイデン前副大統領(77)とハリス氏が、政権主導のワクチン開発に疑念を示していることに関し、「国民の命を政治目的に利用するのはやめてほしい。ワクチンへの信頼を損ね続けることは許されない」と非難した。
経済・通商分野では、ペンス氏が、バイデン氏が大統領になれば増税や規制強化で経済が失速すると主張した。「バイデン氏は中国への経済的屈服(の時代)に戻りたいのだ」とも述べた。ハリス氏は、激化した米中貿易摩擦が米国内の雇用減少や消費者の負担増につながったと指摘した。
副大統領候補の討論会は今回のみとなる。トランプ、バイデン両氏の2回目の討論会は15日にフロリダ州で予定されている。トランプ氏の健康状態などを踏まえ、開催の可否や方法について調整が今後、本格化する。