[サンフランシスコ 16日 ロイター] – 米短文投稿サイトのツイッターTWTR.Nは、新設した安全対策責任者の職に著名ハッカーのピーター・ザトコ氏を迎え入れたことを明らかにした。同社は当局による規制強化の可能性や深刻な社内システム侵入の被害など問題が積み上がっている。

ハッカー名「マッジ」で知られるザトコ氏は独占インタビューで、「情報セキュリティー、サイトの完全性、物理的な安全対策、悪用や不正操作の問題にも広がりつつあるプラットフォームの完全性、エンジニアリング」について検証する考えを表明。

同氏の直近の仕事は電子決済サービスのストライプでのセキュリティー監督役だった。その前はグーグルの特別プロジェクトに携わったり、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)のサイバーセキュリティーに関するプロジェクトで助成金分配の監督役を担った。

同氏はキャリア初期の1990年代に政府の委託業者のために機密業務を行うと同時に、マイクロソフトにセキュリティー改善を迫るためにウィンドウズをハッキングするツールを公開したことで知られるハッカーグループ「カルト・オブ・ザ・デッド・カウ」の主要メンバーの1人だった。

ツイッターは現在、セキュリティーにおいて数々の課題を抱えている。今年7月には当時の民主党大統領候補だったバイデン前副大統領ら政財界の著名人のアカウントが乗っ取られる事件が発生した。

ザトコ氏はツイッター上の公開会話を改善することにコミットしていると表明。ユーザーにリツイートの代わりにコメントするよう促す最近の動きを称賛した上で、次のステップとしては、長い会話について参加する前に理解を迫ることが可能性としてあると述べた。

また、ツイッターは「多少のリスクを取る構えがある」と指摘し、アルゴリズムがもたらす課題などについて同社は「他の誰かが問題を解決するまで傍観するつもりはない」と評した。