【ワシントン時事】バイデン米大統領は28日、就任後初となる2022会計年度(21年10月~22年9月)の予算教書を議会に提出した。成長戦略のインフラ投資や教育・福祉向けを重視し、歳出額は6兆110億ドル(約660兆円)と戦後最大規模に達した。政府債務が記録的水準に悪化することを受け、企業や富裕層への増税を提案した。
「大きな政府」が主導する財政拡大で、国際競争力の強化と中低所得層への支援拡充を訴えるバイデン氏の意向を強く反映した。同氏は「米経済を強化し、長期の財政健全性を高める」と強調した。
歳出は、新型コロナウイルス危機前の19年度比約3割の大幅増。国内総生産(GDP)比でみると、コロナ経済対策の特殊要因を除けば戦後最大の規模となる。その後も拡大を続け、31年度は8兆2110億ドルと、10年で4割近く増える見込みだ。
バイデン政権はインフラ投資や気候変動対策、子育て・教育支援を柱とした成長戦略に、幅広く予算を振り向けた。国防費は中国などの脅威をにらみ、積み増した。
財政収支は毎年1兆ドル超の赤字が続き、10年間の累計で14兆5310億ドルに膨らむ。連邦法人税率を21%から28%に引き上げ、富裕層に対する増税を見込むが、政府債務は戦後最悪の水準で推移し、31年度にGDP比の117%に達する。
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