今週水曜日12月8日は41年前にジョン・レノンが凶弾に倒れた日であり、80年前に日本軍がハワイ・オアフ島真珠湾の米軍基地を攻撃した日(米国時間では7日)です。開戦を避ける手段があったはずなのに突き進んでしまった当時の日本と、人類史上最悪の大量破壊兵器を一般市民に使う動機を得た米国。人の命と尊厳をもてあそぶ危険なゲームは場所や相手、形を変えて今も続いていて、国境や戦争のない世界を単に想像することですら簡単ではありません。今年もセントラルパークのストロベリーフィールズには大勢のファンが集まり、「イマジン」などレノンが残した数々の曲を歌います。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

あわや「大惨事」

黒海の上空でロシアの民間機が米国の哨戒機との接近を避けるためにルートを変更するインシデントが4日に発生したとして、ロシアは正式に米国に抗議する意向だ。ロシア外務省のザハロワ報道官は5日、「今回は黒海上空での大惨事が回避されたものの、だからといって米国と北大西洋条約機構(NATO)が何ら処罰を受けずに今後も人命を脅かしてよいことにはならない」とフェイスブックのアカウントを通じて非難。バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は7日、オンライン会談に臨む。

危険信号

最大の米国債ETFであるiシェアーズ米国債20年超ETF(ティッカー:TLT)には、2日までの1週間で過去最大の25億ドル(約2800億円)が流入した。オミクロンへの不安が募る中、資金が米国債に逃避したことが背景にある。社債に対するセンチメント悪化も一因。380億ドル規模のiシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(LQD)では、空売り比率が過去最高に接近。iシェアーズiBoxxハイイールド社債ETF(HYG)の資金流出入は、3週連続で出超となった。こうしたクロスアセットのシグナルはさらに市場の動揺を強めるものとして懸念されている。

値上げ

サウジアラビアはアジアと米国向けの原油販売価格を引き上げた。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」の感染拡大でも需要の強さは続くと、サウジがみていることが示唆される。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は2日に、生産引き上げ計画の継続で合意していた。サウジの国営石油会社サウジアラムコの発表資料によると、同社は1月に出荷するアジアおよび米国向け原油の全グレードを値上げした。

リスクは現実的

米バイオテクノロジー大手モデルナのスティーブン・ホーグ社長は、オミクロンに対する既存ワクチンの効果について、従来型への効果より低くなるリスクは明白だがどの程度劣るのかはまだ判断できないと述べた。ホーグ氏はABCの番組で、例えば効果が半減することが示されれば、新たに調整したワクチンが必要になるだろうと話した。「ワクチンの有効性が低下するリスクは現実的にあると考えている」とホーグ氏。「分からないのは、それがどの程度かということだ」と述べた。

若干の下押し

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらは、新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大が米経済に「若干の下押し」圧力をかけるとして、今年と来年の米成長率見通しを引き下げた。現在想定する今年の米国内総生産(GDP)成長率は3.8%と、従来予想の4.2%から引き下げられた。来年についても2.9%と、3.3%から下方修正した。オミクロン株がインフレに与える影響はまちまちとし、影響を受けやすい旅行業などは打撃を受ける一方、供給と人材がさらに不足することでより継続的に物価を押し上げるリスクを挙げた。

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