Josh Wingrove、Jordan Fabian
- G7とNATO、EUの首脳が8日にオンライン会合
- 米、ウクライナと周辺国に4000億円支援表明-国務長官がキーウ訪問
米国はウクライナとその周辺国に武器や軍事資金の提供で28億ドル(約4000億円)相当の支援を行うと表明した。ロシアによる化石燃料の輸出打ち切りの恐れでエネルギー危機への懸念が強まる中、バイデン政権は同盟国の団結強化を目指している。
ブリンケン米国務長官は事前の発表なしでウクライナの首都キーウを訪れ、オースティン国防長官もドイツを訪問。バイデン大統領は8日、主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)の首脳とオンライン会合を行った。ジャンピエール大統領報道官によると、欧州に「持続可能で手頃なエネルギー供給」が行われるよう確実にするための新たな方法について協議した。
バイデン大統領、ウクライナ支援巡り同盟国と8日に会議-関係者
首脳会合ではウクライナ向けの追加の金融・武器支援についても話し合った。ブリンケン長官はキーウでウクライナと周辺国向けの軍事支援を発表。22億ドルの将来の軍事支援に加え、武器や弾薬、機器など6億7500万ドル相当を国防総省の現在の在庫から提供する。
ロシアによるウクライナ侵攻開始から半年が過ぎ、米欧でさらなるエネルギー価格上昇につながりかねない新たな制裁を欧州が12月に発動するのを控え、バイデン政権はウクライナ支援の強化に動いている。欧州諸国はロシアのプーチン大統領の孤立化を目指しているが、ガソリン価格の急騰が国民の反発を招く恐れがある。
オースティン長官はドイツのラムシュタイン空軍基地で発言し、NATOが同盟国の武器責任者の会合を主催すると明らかにした。ブリンケン長官は8日夜にキーウを出発しブリュッセルに向かった。NATOのストルテンベルグ事務総長と会談する。
ブリンケン長官によるウクライナ訪問は侵攻開始後で3度目。米国のウクライナへのコミットメントで「非常に重要なシグナルを送る」ものだと、同長官と会談したゼレンスキー大統領は指摘した。ブリンケン長官は「攻撃が停止され、ウクライナの主権と独立が完全に確立されるまで」米国と同盟国がロシアへの圧力を継続すると表明した。
米国の支援は、戦争の長期化が予想される中でウクライナが確実に戦い続けられるようにするのが狙い。予算書類によると、新たに供与される武器にはGPS誘導砲弾「エクスカリバー」が含まれる。非常に精密なため、必要な発射回数を少なくし、巻き添え被害も減らせるという。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は8日、欧州の石油・天然ガス備蓄強化のためのエネルギー供給について国際的なタスクフォースとの協力を続けると表明。米国が320億立方メートル相当の液化天然ガス(LNG)を欧州に提供したと説明した。これは3月に当初約束した量の約2倍だという。欧州諸国が冬を乗り切るのを手助けするため、米国が他のサプライヤーの支援確保も目指していると述べた。
原題:Biden, US Allies Discuss Russian ‘Weaponization’ of Energy (1)(抜粋)