- FSDと呼ばれる自動運転ソフトウエアのベータ版にリスク伴う
- 4月15日までに無線通信によるソフトウエア更新で修正される見通し
米電気自動車(EV)大手のテスラは、同社の自動運転技術が衝突のリスクを高める恐れがあるとの当局の指摘を受け、36万2758台をリコールする。
16日の届け出によれば、フルセルフドライビング(FSD)と呼ばれる自動運転ソフトウエアのベータ版には交差点で右折や左折の車線からの直進や、黄信号点灯中の通過といった「安全ではない運転」が起きる可能性がある。米運輸省道路交通安全局(NHTSA)によると、運転手が介入しない場合、「衝突のリスクが高まる恐れがある」。
リコール対象は2016-23年に生産された一部の「モデル3」「モデルX」「モデルY」「モデルS」。NHTSAによれば、問題箇所は4月15日までに無線通信によるソフトウエア更新で修正される見通し。
NHTSAの懸念は、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が同社の長期見通しの要と位置付けるシステムに新たな疑念を生じさせるものだ。マスク氏は同日のツイートで、届け出の具体的内容には触れなかったが、問題箇所はソフトウエア更新で修正できるため「リコール」という言葉は「完全に間違っている」とコメントした。
緊急車両などに衝突する事故が相次いだことを受け、NHTSAは2021年以来、テスラの自動運転支援システム「オートパイロット」を調査している。
NHTSAは16日の別の発表資料で、オートパイロットに関する調査は続いていると説明した。
テスラの担当者にコメントを求めたが、今のところ返答はない。
原題:Tesla Recalls 362,758 Cars Over Driving Software Crash Risk (2)(抜粋)