- OPECプラスが減産延長で合意、米雇用統計後のFOMC予測
- 謎のトレーダー、シャングリラ会合、有利なテスラ・パナソニック
2007年1月9日、サンフランシスコで開かれたマックワールド・エクスポ。画期的な新製品のプレゼンテーションを数分後に控え、弊社の端末スクリーンには、「スティーブ・ジョブズ氏が会場入り」という速報が流れました。それほどアップルが送り出した初のスマートフォン「iPhone」への期待と熱狂は強かったのです。5日にクパチーノで開かれる世界開発者会議(WWDC)では、複合現実(MR)ヘッドセットが披露されます。iPhoneのようにわれわれの生活を様変わりさせることができるでしょうか。イベントは米西部時間午前10時(日本時間6日午前2時)開始です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
延長
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」は、減産協定を2024年末まで延長することで合意した。サウジアラビアは7月、自主的に日量100万バレルを追加で削減する。OPECプラスは2カ月前にサプライズ減産を発表したが、中国の景気懸念などを背景に原油相場は軟調に推移。追加減産に踏み切るかどうかを検討していた。サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は5月23日、石油の投機筋に「気をつけろ」と警告していた。
一回休み
5月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが加速したものの、労働市場にはたるみの兆候が見られた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月の会合で政策金利を据え置き、夏の間に再び引き上げを検討する公算が大きい。ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルビーラ・ファルキ氏は「FOMCが次回会合で政策金利を据え置くという当社の基本シナリオを維持する」と述べた。雇用統計の発表後、6月会合での利上げ織り込みは31%と、前日の24%から上昇した。
ミステリー
米政府と共和党がまとめた債務合意には、300マイル(約482キロメートル)もの天然ガスパイプライン事業の承認が含まれ、誰もが衝撃を受けた。しかしあるトレーダーは合意発表から数日さかのぼる5月24日、このパイプラインに深く関わるエクイトランス・ミッドストリーム株について、最大10万枚のコールオプションを建てていた。このトレーダーの読みは的中。2日までに750万ドル(10億5000万円)の評価益を得たとみられる。専門家は合意の内容が事前に漏れていた可能性を疑っている。
握手の効果
中国の李尚福国防相はシンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で、インド太平洋地域を巡る米国の政策を非難。台湾への支援と域内への軍配備、同盟の構築によって対立をあおっていると論じた。米海軍は駆逐艦がカナダの戦艦と共に3日に台湾海峡を航行したと明らかにしている。李国防相とオースティン米国防長官は2日の夕食会で握手を交わしたものの、会談は実現しなかった。米国が李国防相に制裁を科していることへの中国の不満は、会談拒否の理由にはならないと同長官はコメントした。
テスラ有利
米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はバイデン大統領が成立させた「インフレ抑制法」のお陰で、電気自動車(EV)の価格戦争をますます有利に闘うことになりそうだ。バッテリー事業で提携するパナソニックホールディングスと合わせて今年約18億ドル(約2500億円)の税優遇を受けると、調査会社は推計。ゼネラル・モーターズ(GM)とLGエナジー・ソリューション組の推定4億8000万ドルをはるかに上回る。フォード・モーターにいたっては2025年になるまでこの優遇を受けることができない。
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