ロシアのプーチン政権を批判し収監中の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を求め、4日にデモを行うようロシア国内外で呼び掛けがあった。人権団体によると、デモに絡んで国内各地で45人以上が拘束された。ウクライナ侵攻下、メディアや反体制派に対する言論弾圧が強まる中、ロシアでのデモは極めて異例だ。

ナワリヌイ氏釈放求め書簡 英俳優ら、「終身刑」の恐れも―ロシア

 6月4日はナワリヌイ氏の47歳の誕生日。支持者にそれぞれの居住地の中心部の広場に集まるよう周知され、デモは日本を含む西側諸国にも広がった。ナワリヌイ氏はSNSで「真実を語り、正義を守ることが、ロシアで危険でなくなる日が必ず来る」と訴えた。

 毒殺未遂や国外療養を経て、禁錮9年の刑が確定したナワリヌイ氏は「テロの扇動、過激活動への資金供与、ナチス主義の復興」といった罪で追起訴されている。有罪の場合、刑期が30年に及ぶ可能性があるとされる。5月31日にモスクワ市裁判所で手続きがあったが、審理は今月6日に延期された。

 デモを計画した側近らは既に国外脱出している。強制排除や拘束の対象となるのは一般国民だとして、ナワリヌイ氏陣営内部から異論も出た。陣営の極東ハバロフスク支部の元トップは「(側近らが)国外にいながら国内のロシア人に参加を呼び掛けるのは、非倫理的であるだけでなく危険だ」と苦言を呈した。