谷川広二郎

 高市首相(自民党総裁)は27日の読売新聞のインタビューで、9月中下旬の実施で調整している内閣改造・党役員人事に関し、首相直轄で進める意欲をにじませた。専門性や課題意識などの3条件を基本方針に掲げ、役職希望アンケートを踏まえて、適性を「吟味」する考えを示した。(谷川広二郎)

 「本人の専門知識、政策についてどういう課題意識を持っているか、やる気を吟味して、お任せできる方にお願いしたい」

 首相はインタビューで、党内で役職希望アンケートを行ったことを強調し、人事の基本方針を説明した。

 自民は20日、党所属衆院議員に政府や党、国会での希望ポストを尋ねるアンケートを配布し、25日に締め切った。閣僚や党幹部を含め第5希望まで選ばせ、取り組みたい課題などの志望理由の記述欄も設けた。首相の要請で想定より早く実施しており、首相は時間をかけて読み込む方針だ。参院自民は独自に希望を募り、幹部が首相に伝える。

 昨年10月に就任した首相にとり、今回は2度目の本格的な人事で、内閣改造は初めてとなる。首相はインタビューで、現行の布陣についてもアンケートを参考にして「人物本位で、強い政策を見ながら適材適所の人選を行ったつもりだ」と述べた。ただ、この際は、昨年10月の自民総裁選で首相を支持した麻生副総裁の意向が色濃く反映された面があった。その後、首相は2月の衆院選で自民を大勝に導いただけに、今回は、「高市カラー」をより鮮明にする体制にしたいとの思いを抱えているとみられる。同時に、来年9月の総裁任期満了に伴う総裁選を見据え、党内基盤の強化を図る観点も考慮する見通しだ。

 首相は、消費税減税などの重視する政策への姿勢や国会運営への貢献度といった点も加味する公算が大きい。首相は、活動を評価する議員に直接メールを送るなどしている。首相周辺は「議員の仕事ぶりをよく見ており、人事の参考にもするだろう」と語る。

 かつての自民の内閣改造・党役員人事では、各派閥が首相に推薦リストを提出するのが慣例だったが、派閥は麻生派を除き解散した。2024年に改正した党のガバナンスコード(統治指針)では、人事に派閥を関与させない方針を打ち出した。首相が人事でフリーハンドを得やすい環境は整っている。

 もっとも、組織単位のうごめきも散見される。旧茂木派や、総裁選で首相を支持した議員らは、それぞれ人事希望の取りまとめを始めている。党内では「人事にこだわる首相には逆効果だ」と見る向きが多いものの、猟官運動は活発化する可能性が高く、首相が「高市流」をどこまで貫けるか注目される。

定数減法案 成立に期待

 高市首相(自民党総裁)は27日の読売新聞インタビューで、先の特別国会で継続審議となった衆院議員の定数削減法案について、秋の臨時国会での成立に期待を示した。

 定数削減は自民党と日本維新の会の連立合意書に明記され、自民は2月の衆院選公約でも掲げた。首相は「議員立法なので首相の立場からコメントは差し控える」とした上で、「衆院選で国民から賜った方針(民意)を踏まえて、政権公約は実現しなければならないと考えている」と述べた。