
[ニューヨーク 8日 ロイター] – 交流サイト(SNS)の「フェイスブック」や「インスタグラム」を運営する米メタ・プラットフォームズ(META.O)、新しいタブで開きますは8日、ユーザーに代わってメール送信や旅行予約などを自律的にこなす人工知能(AI)アシスタント「ミューズ」を投入した。ただ、同社の社内には、個人情報へのアクセス管理に問題があるとの懸念もある。
メタの発表によると、同製品は当初、専用アプリまたはメタのメッセージングサービス「ワッツアップ」を通じて米国内でのみ利用できる。同社のスマートグラス製品にも「まもなく」エージェントを追加する計画だとしたが、詳細には触れなかった。
広報担当者によると、エージェントの基本版は無料で提供され、より多く利用する場合には月額20ドルと100ドルのサブスクリプション(定額課金)プランを用意する。
ユーザーは、自らのやり取りがメタのAIモデルの訓練に使われることを拒否できる。同社は今年後半に暗号化版のミューズを導入する計画だという。
ミューズはオープンソースのAIエージェント「オープンクロー」をモデルとしており、電子メール、カレンダー、決済、健康、買い物、スマートホームといった分野にわたってユーザーのアプリにアクセスできるよう設計されている。どのアプリに接続するかはユーザーが選び、いつでもアクセスを取り消すことができる。エージェントは、パソコンをクラウド上で模した独自の仮想マシン上で動作するため、 ユーザーが実際に使っていない間もバックグラウンドで処理を続ける。
実際のデータを含むアプリと連携させることで、エージェントの利便性は高まるが、安全性や信頼性を巡る問題への懸念も大きく高まることになる。
メタでAI製品を担当するバイスプレジデントのビシャル・シャー氏によると、同製品の展開は、安全性向上のため4月にいったん延期された。メタは、その後の作業によって「基準を満たす水準に達し」、製品の安全性、セキュリティー、プライバシー、モデル性能などの最低要件を満たしたと判断したという。
シャー氏はロイターに対し、「ミスが絶対に起きないとは言えないが、アーキテクチャーのあらゆる部分を、可能な限り安全で堅牢、かつプライバシーが守られるように設計した」と述べた。
ロイターが確認した社内投稿によると、この製品を社内でテストしているメタの従業員からは、旅行に非常に役立ったとの声がある一方、「信頼性を損なう多くの不具合に遭遇した」「個人のiCloud写真に不適切にアクセスした」との報告もあった。
ロイターはこうした事例についてメタにコメントを求めたが、回答は得られなかった。