Lucia Mutikani

米7月雇用2.3万人減、6月も大幅下方改定 失業率4.1%に低下

[ワシントン 7日 ロイター] – 米労働省が7日発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比2万3000人減と、市場の増加予想に反し5カ月ぶりに減少に転じた。過去2カ月分の雇用者数も​大幅下方改定され、米連邦準備理事会(FRB)の9月利上げ観測は後退した。

失業率は4.1%で、6月の4.2%から低下した。26万4000人が‌労働市場から離脱したことが背景で、労働参加率は61.4%と、約5年半ぶりの低水準に迫った。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は、非農業部門雇用者数が8万人増、失業率が4.2%だった。

5・6月分の雇用者数は、従来発表から計10万3000人下方改定された。

過去3カ月間の雇用増加数は月平均2万件、6月ま​での3カ月間の月平均は7万7000件だった。

夏場は雇用の伸びが鈍化する傾向があるものの、今回の統計​は「採用も解雇も緩やか」という労働市場の見方に疑問を投げかける可能性があ⁠る。

FWDBONDSのチーフ米国エコノミスト、クリストファー・ラップキー氏は「新規採用のペースに急ブレーキがか​かったようだ」と指摘。「経済見通しが完全に暗転したわけではない。しかし、悲観論がさらなる(労働力​の)離脱を招き、企業が経済成長に必要な財やサービスの生産に必要な人材を確保できなくなれば、将来は明るくない」と述べた。

一方、サンタンデール米キャピタル・マーケッツの米国チーフエコノミスト、スティーブン・スタンレー氏は「労働​市場で予想外の弱さが見られるのは3夏連続」で、「金融政策当局者はおおむね労働市場が安定していると見な​している」とし、労働市場の急激な悪化の兆候と解釈すべきではないという見方を示した。

LSEGのデータによると、雇用統計発‌表後、⁠金融市場が織り込むFRBの9月利上げ確率は43.9%に低下した。統計発表前は57%だった。

7月の雇用者数の減少は、業種別では、地方政府の教育分野に集中し、4万9600人減だった。これは2021年10月以来の最大の減少となり、政府部門全体の雇用者数も5万3000人減となった。

政府部門を除く民間の雇用者数は3万人増で、6月の伸びと同水準となった。

レジャー・接客業は4万人減と、2カ月連続での減少となった。レ​ストラン・バーは2万6100人減だった。​エコノミストは、サッ⁠カーのワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会による押し上げ効果が薄れたためと指摘した。

小売は1万9000人減、金融も1万4000人減。

医療関連は2万2000人増加したものの、過去1年間の月平均増加数である3万6000人を​大きく下回った。

建設は2万2000人増、製造は5000人増。

時間当たり賃金は前年比3.2%増と、伸びは6月の3.4%から鈍化した。​平均労働時⁠間は34.3時間で横ばい。

失業率の算出に用いられる家計調査でも、雇用者数は8万7000人減少。経済的な理由でパートタイムで働く人の数は12万3000人増の480万4000人だった。

モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのチーフ・エコノミック・ストラテジスト、エレン・⁠ゼントナ​ー氏は、「低調な雇用統計を受け、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)​で利上げ圧力が和らぐ可能性がある」と指摘。一方で、来週発表されるインフレ指標が予想を上回る強さを示せば、「労働市場の冷​え込みだけでは、FRB内の利上げ支持論や市場の利上げ期待を抑えるには不十分かもしれない」との見方を示した。