Enas Alashray, Humeyra Pamuk, Eman Abouhassira

[ドバイ/カイロ/ガーデンシティ(米ニューヨーク州) 15日 ロイター] – イランは米国に敗北を認めるよう要求、トランプ米大統領はイランを「邪悪」と非難した上で、米国民に対して燃料価格の高止まりを覚悟するよう訴えた。米・イランの隔たりが依然として大きく、和平交渉に向けた進展やホルムズ海峡の再開が見込めない状況が続いている。
イランのガリババディ外務次官は15日早朝、Xへの投稿で「海峡はイランの指令によってのみ開閉される。敗北という現実を受け入れず、幻想にふけるのをやめない限り、イランは封鎖を継続する」と表明した。 もっと見る
<米ガソリン価格、前年比29%上昇 イラン経済にも打撃>
イランのアラグチ外相は、対米交渉を再開する決定は下されていないと発言。15日に公開された地元メディアとのインタビューで、海峡再開には米政府がイラン側の条件を受け入れる必要があるとの立場を改めて示した。
一方、トランプ氏は14日、イランとの紛争が続く間、米国民にガソリン価格の「わずかな上昇」を受け入れるよう呼びかけた。ニューヨーク州ガーデンシティで開かれた政治集会で「非常に邪悪な国」が核兵器を保有できないようにするためであれば、「ガソリン代がほんの少し高くなる」ことに見合う価値があると述べた。 もっと見る
米自動車協会(AAA)によると、14日の米ガソリン平均小売価格は1ガロン=約4.08ドルで、前年同期の3.16ドルから29%上昇している。
共和党のトランプ氏はエネルギーコスト引き下げを公約に掲げて大統領選を闘った経緯があり、民主党は11月の中間選挙に向けて戦争の影響を争点化しようとしている。
原油先物は14日、バレル当たり1ドル超上昇した。
イランのガリババディ外務次官は「ホルムズ海峡は、ツイートや空母、命令の発出、選挙演説によって支配できるものではない」とも強調した。
イランの強硬姿勢とは裏腹に、同国経済への打撃を示す兆候も出ている。イランのペゼシュキアン大統領は国営テレビで放送された発言の中で、高インフレの原因を米国によるイラン港湾封鎖とイラン石油輸出への制裁にあると非難した。
<ホルムズ海峡、原油タンカーの通航なし>
トランプ氏とベセント米財務長官はそれぞれ、イランに対しさらなる経済面での打撃を与えると表明。ベセント氏は13日、ニュースマックスの番組「ロブ・シュミット・トゥナイト」に出演し、来週中にイランに対する追加措置を発表すると述べた。 もっと見る
トランプ氏は「われわれがやっていることは自国のためだけではなく、世界にとっての大きな貢献だ。素晴らしい仕事をしている」とした上で、戦争支援のために米空母が260日間展開していることに触れ、「それほど長い期間ではない」と述べた。米空母の長期展開を巡っては、乗員のメンタルヘルスを懸念する声が上がっている。
船舶追跡会社ケプラーの分析によると、14日にホルムズ海峡を通過した船舶はわずか2隻で、原油を積んだ船は確認されなかった。位置情報を発信するトランスポンダーを切って海峡を通過する船舶もあり得るが、今回の紛争勃発前に1日130隻超が通航していた水準には遠く及ばない。
イランの許可なく海峡を航行する船舶はミサイルやドローン(無人機)による攻撃を受けるリスクがある。アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)は同社のタンカー2隻が13日夜に海峡通過中に攻撃を受けたと発表。UAE国営通信WAMは、別のタンカーも14日に攻撃されたと伝えた。
戦闘終結に向けて6月に締結した覚書は事実上破綻している。イランのアラグチ外相は「そもそも延長すべき停戦は存在しなかった。あったのは『戦争の終結』であり、今は新たな状況だ」と述べた。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派による攻撃は、紛争拡大への懸念を再燃させている。イエメン政府によると、フーシ派は14日、紅海に面するモカ港に弾道ミサイル6発を発射し、民間人4人が死亡した。
フーシ派系の通信社SABAは軍事筋の話として、フーシ派がサウジアラビア南部ナジュランのサウジアラムコ関連施設をドローンで攻撃したと伝えた。