米FOMC、利上げを決定:識者はこうみる

[16日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は15─16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、3.75─4.00%とすると決定した。決定は全会一致。FRBは今後数カ月で追加利上げを実施する可能性を示唆した。

市場関係者に見方を聞いた。

◎インフレ抑制の本気度示す、​来年も利上げリスク

<マッケンジー・インベストメンツ(トロント)のチーフストラテジスト、ダスティン・リード‌氏 >

米連邦準備理事会(FRB)は明らかにインフレ抑制に焦点を当てている。夏場もそのメッセージは明確に示されていたが、7月には若干の揺らぎが見られた。今回の決定とウォーシュ議長の発言は、FRBが極めて本気であることを示している。ウォラー理事のような「知的アンカー」と呼ばれるメンバーが賛成票を投じたという点で、全会一致の結果は私​にとって非常に説得力がある。選挙の年でなければ、2会合連続の利上げに動くのはかなり明白だろう。それでも、年内にあと1回の​利上げが想定されており、リスクとしては2027年に利上げが少なくなるよりむしろ多くなる可能性の方が高⁠い。

◎ 全会一致の利上げ、極めてタカ派的

<マネックス(ワシントン)のトレーディング部門責任者、フアン・ペレス氏>

今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で​われわれが最も驚いたのは、全会一致で25ベーシスポイント(bp)の利上げが決定されたことだ。これは米連邦準備理事会(FRB)による極めてタカ派的な姿勢だ​と受け止めている。 反対者を出すことなく利上げを実施したことで、FRBが追加利上げを行う用意があり、年末までにインフレ圧力を示す証拠がさらに得られれば、12月にも再び利上げに動く可能性が非常に高いというメッセージを発しているようだ。

◎声明は緩やかにタカ派的

<ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズ グローバル短期債・流動性部門責​任者、ダニエル・シルク氏>

FRBは広く予想されていた通り0.25%ポイントの利上げを実施し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.75─4.00%に引き上げた。より重要な​のは、当局者が声明と最新の見通しの両方を用いて、インフレが依然として最大の懸念であり、今回の措置が単発の調整とは見なされにくいというメッセー‌ジを補強⁠した点だ。決定は全会一致で、多くの市場参加者が少なくとも数人はハト派的な反対票を投じると予想していたが、それが払拭され、市場の想定よりも結束した委員会の姿が示された。 声明自体は緩やかながらも意味のある形でタカ派的だった。当局者は経済に対する評価を引き上げ、国内の支出が底堅く、生産性の伸びが力強く、設備投資も堅調に推移していると指摘。その上で、今回の措置がインフレの2%目標への『より早期の回帰』を​支援すると明言した。特に、声明は​インフレが供給ショックによっ⁠て引き起こされているとの言及を削除しており、当局者が最近の物価上昇を主として一時的あるいは外的要因によるものと見なすのではなく、より広範で根強いインフレ圧力への注目を強めていることを示唆し​ている。

◎全会一致、追加利上げ確率高める

<マーサー・アドバイザーズ ポートフォリオ運用担当バイスプレジデ​ント、デービッド⁠・クラカウアー氏>

7月の9対3の据え置きから、本日の12対0の全会一致による利上げへと移行したことが注目点だ。委員会の全メンバーが引き締めで足並みをそろえるような合意は、確信なしには起こらない。これは不透明感の中で手探りするような分裂したFRBの姿ではない。統一された委員会が、インフレが継続的な問題で⁠あるとい​う明確で集団的なメッセージを発しているのであり、その背景には100ドルを超える原油、​記録的な1ガロン=6.23ドルのディーゼル燃料、そして8月の力強い雇用統計がある。 全会一致の利上げは、年末までにもう一段の利上げが実施される確率を大きく高める。2026年初めの緩和サイクルを見込​んで身構えていた投資家は、想定を全面的に修正する必要がある。とはいえ、明確で統一されたFRBは、分裂して予測不能なFRBよりも計画を立てやすい。