
[ジュネーブ 17日 ロイター] – 国連のイランに関する独立調査団は17日、2月にイランの学校とスポーツ施設に対して行われた攻撃について、米軍によるものだと信じるに足る合理的な根拠があり、これらは戦争犯罪に当たると発表した。
またイラン当局が反政府デモを弾圧し、多数の死者を出したことについて、人道に対する罪に当たると認定した。
調査団はジュネーブの国連人権理事会に提出する新たな報告書で、イラン戦争での米国の行為と、昨年12月下旬に始まった全国的な騒乱に対するイラン政府の対応を検証した。
米国防総省は外部組織による報告書についてコメントを控えた上で、「われわれの調査は継続中で、現時点で発表することはない」と述べた。
ホワイトハウスのケリー報道官は、国連人権理事会は「人権のために何も成し遂げていない」と述べ、現在の紛争で戦争犯罪を犯したのはイランだけだと主張した。
ジュネーブのイラン政府代表部はロイターのコメント要請に返答していない。
米当局者はこれまで、軍事作戦は武力紛争法に従って実施されていると説明し、イランは組織的な人権侵害の疑惑を一貫して否定してきた。
国連調査団は司法機関ではなく調査機関で、刑事訴追は行わない。ただ、調査結果は各国の裁判所や国際刑事裁判所(ICC)など国際法廷による刑事捜査に利用される可能性がある。報告書は21日にジュネーブの人権理事会で提示され、各国が調査結果について協議する見通しだ。
<ミナブの学校への攻撃>
調査団はイラン南部ミナブの小学校への攻撃について、米軍によるものと信じるに足る合理的な根拠があるとした。学校は民間施設と明確に識別でき、軍事目的に使用されていた証拠は見つからなかったとした。
イラン当局によると、この攻撃で児童約120人を含む150人以上が死亡した。調査団は民間人の死亡と民間インフラの損壊をもたらした無差別攻撃であり、国際法上の戦争犯罪に当たると結論付けた。
報告書によると、米国はイスラム革命防衛隊の海軍施設に隣接する学校に関する情報をデータベースで更新せず、建物が軍事目標であることも確認しなかった行為は、単なる過失では済まされないと指摘した。
「むしろ米国は、民間施設を攻撃する重大なリスクを認識しながら、そうした事態が起きる可能性を顧みず、無謀な攻撃に踏み切った」と述べた。
ロイターはこれまでに、ミナブでの攻撃に米軍が関与していた可能性が高いことが米軍の初期の内部調査で示されたと報じていた。米国防総省はその後、調査のレベルを引き上げたが、調査結果は公表していない。
調査団は南部ラメルドのスポーツセンターへの攻撃についても同様の結論に達した。この攻撃で近隣の住宅や学校が損壊し、民間人22人が死傷した。無差別攻撃であり戦争犯罪に当たると結論付けた。
米中央軍は3月の声明で、米軍は当日、ラメルド市内を一切攻撃していないと述べていた。
<イランの人権侵害>
調査団は昨年12月下旬に始まった抗議デモについて、イラン当局が民間人に対して広範かつ組織的な攻撃を行ったと認定した。不法な殺害、拷問、恣意(しい)的な拘束、表現の自由の厳しい制限が含まれる。
公式発表では死者は3038人、負傷者は2万5000人となっている。調査団は死者数を独自に検証できなかったとしたが、死傷者数は公式発表を大幅に上回る可能性が高いとの見方を示した。
暴力や殺害、インターネットの遮断、死刑の適用など、抗議デモに対する政府の対応は、従来の反体制派抑圧と比べて著しく激化したと指摘した。