
[1日 ロイター] – 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、事情に詳しい関係者の話として、米財務省が31日に円相場に介入し、円を直接買い入れることで円を下支えしたと報じた。円が約40年ぶり安値近辺で低迷する中、米政府が日本とともに円を支えるために介入するのは2011年以来となる。
FTによると、ニューヨーク連銀がゴールドマン・サックス(GS.N)、新しいタブで開きますおよびモルガン・スタンレー(MS.N)、新しいタブで開きますを通じ、財務省に代わってユーロを売却し円を購入した。購入した円の金額は示されていない。
報道が事実であれば、米財務省が円を直接支えるのは東日本大震災後の主要7カ国(G7)による協調介入以来のこと。
財務省は31日朝、複数の銀行に対して31日に円相場に介入する可能性があるとして「今後の措置に備える」よう通知した。情報筋がロイターに明らかにした。 もっと見る
メリーランド州キャンプデービッドで開かれた閣議中に撮影されたベセント米財務長官のメモ帳を写したロイターの写真からは、同氏が50億─100億ドル相当の日本円購入を検討していたことが判明した。 もっと見る
閣議が公式取材に開放されていた時間帯にベセント氏の肩越しに撮影された写真のメモ帳には、アンダーラインを引いた「To Do」の文字と、その下に「Buy Japanese Yen (JPY) $5-10 bil.(日本円を購入、50億─100億ドル)」と書かれていた。
財務省は、FTの報道やベセント氏のメモについてのコメント要請に直ちには応じなかった。ニューヨーク連銀とモルガン・スタンレーからも業務時間外のためコメントを得ることができなかった。ゴールドマン・サックスはコメントを控えた。
財務省による介入観測が伝わったことで、31日の円は今週付けた40年ぶり近い安値から上昇し、特に午後遅くの取引で目立った動きとなった。LSEGのデータによると、ドルは米東部時間午後4時14分(2014GMT、日本時間1日午前5時14分)ごろの約158.9円から、午後5時(2100GMT、日本時間1日午前6時)直前には157.6円付近へと約0.8%下落した。
日銀が31日公表したデータによると、政府・日銀が30日に実施した円買い介入の規模は6.4兆円―9.6兆円規模だったとの見方があり、円安阻止に向けた繰り返しの取り組みを示唆している。 もっと見る
日経新聞が1日報じたところによると、日本の通貨当局は31日のニューヨーク時間にも再び介入した。
財務省当局者のコメントは得られていないが、財務省は、大規模介入に向けた日本の資金力の限界を巡る市場の懸念を和らげる狙いとみられる投稿を交流サイト(SNS)「X」に掲載。日本の通貨当局は「市場の流動性ニーズに対応する幅広い手段を有している」と表明した。
「秩序ある市場機能を支えるため、必要に応じて利用可能な手段を用いる用意を引き続き整えている」とし、その手段には米連邦準備理事会(FRB)が常設する「海外・国際通貨当局(FIMA)レポファシリティー」の利用の可能性も含まれると指摘した。
FIMAレポファシリティーは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時の市場安定化を目的として2020年に導入された制度で、日本は米国債の直接売却を回避しながらドル流動性を調達することが可能となる。介入資金の調達圧力を和らげる効果が期待される。