政府が高度な研究力を持つ大学を対象に来年度、創設する認定制度「産業競争力・研究力中核大学群(仮称)」の概要が判明した。人工知能(AI)・半導体など政府が定める戦略17分野を中心に、産業競争力強化に貢献する10大学程度の認定を想定している。1大学平均100億円程度を、約15年にわたって継続支援する方針だ。
新設される大学認定制度と「国際卓越研究大学」の概要
新制度は、技術力を生かして経済成長につなげる高市内閣が掲げる「新技術立国」の中核となるものだ。財政支援や外部資金獲得力の強化により経営基盤を強化し、研究環境整備への投資につなげて国際競争力の高い大学群の形成を狙う。
制度を通じ、民間企業との創発的な共同研究による大学発のスタートアップ(新興企業)の育成を図る。大学経営層には成長分野への重点的な予算配分を促し、次世代の産業を担う人材育成につなげたい考えだ。
政府による認定制度としては、世界トップレベルの研究力を目指す大学を対象とした「国際卓越研究大学」がある。10兆円規模の大学ファンドの運用益をもとに、年間100億~数百億円規模の助成を最長25年間行っている。
ただ、認定要件が厳しく現時点では、東北大、東京科学大、京都大の3大学に限られている。新たな認定制度は、経済成長に資する特定分野で高い研究力を持つ他の大学にも門戸を広げ、より産学連携に重点を置くのが特徴だ。
戦略17分野には、サイバーや情報通信、量子、創薬などが含まれており、一つの大学で複数分野での採択も可能にする方向だ。認定にあたっては、産業界の有識者の意見も踏まえて対象を絞り込む。
関連経費として来年度予算の概算要求に、文部科学省が2732億円を計上した。経済産業省も別に、金額を明示しない「事項要求」として盛り込んだ。