地域で暮らす強制退去手続き中の外国人について、出入国在留管理庁が居住する全市町村に対し、住所などの情報提供を始めたことが分かった。従来は本人の同意がある場合などに限られており、自治体が居住を把握できず、行方不明となる例も出ていた。市町村と連携し、目が届きやすい体制を整える狙いがある。

 高市内閣が進める不法な外国人の対策強化の一環で、7月から開始した。

 入管庁はこれまで対象者について、本人の同意を得た上で、居住する市町村に個人情報を提供していた。市町村側から照会があった場合は同意がなくても通知する制度はあったが、利用はごくわずかだった。強制退去命令が出ると住民票を失うため、提供に同意しない場合、市町村が居住を把握できず、義務教育や予防接種などの住民サービスも提供しづらくなっていた。

 7月からは、強制退去手続き中の外国人が新たに居住する全自治体に対し、氏名、住所、国籍、生年月日などの個人情報をプッシュ型で毎月、通知する取り組みを始めた。更新に漏れがないよう、毎年6月時点で各自治体に住む強制退去手続き中の外国人全員の情報も一覧で通知する。

 入管庁によると、2025年に強制退去命令が出た外国人は7722人。25年末時点で仮放免は2429人、監理措置は1546人に上る。逃亡や逃亡の恐れがあるなどとし、25年に仮放免が取り消されたのは133人、監理措置が取り消されたのは60人だったという。